研究概要 |
本申請研究は「揺動制御ラッピング方式による大口径ワークの高平坦化をも包含した超精密任意形状創成技術」を開発することを目的としている.本目的達成のために平成21年度に実施した事柄は次のとおりである. <1/2期>スラリーフローの定量評価における精度検証 デジタル画像相関法を用いたスラリー模様付き工作物の解析精度を検証するにあたり,工作物上にスラリーで模様を付け,当該工作物を所定の角度だけ回転させたときの運動解析を行った.その結果,解析精度は約50μmであり,十分な精度を有することを確認した. <2/2期>デジタル画像相関法を用いたスラリーフローの定量評価法の確立と検証 スラリーフローの観察実験を行うことを通じて,(1)スラリーフローの観察画像と解析結果は同様の傾向を示すことからデジタル画像相関法によるスラリーフローのベクトル評価が可能である,(2)流入時におけるスラリーの移動量は工作物の回転移動量に伴わないが,スラリーの移動方向は工具回転方向に依存する,(3)流入時及び定常状態におけるスラリーフローの傾向はそれぞれどのオフセットeでも同じである,(4)オフセットeが大きい方がスラリーの移動速度は大きくなる,(5)オフセットeが小さい領域においては工具と工作物相互間に流入されるスラリー量は極めて少なくなる ことをそれぞれ明らかにするとともに,本法はスラリーフローを定量評価する上で非常に有用なツールになり得ることを確認した.
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