研究概要 |
本研究は、赤外線領域での高い波長分解能を有する回折格子であるイマージョングレーティングの開発を行うために,レーザオートフォーカス機上計測法をはじめとする加工面性状精密計測を超精密加工機上で用い、マイクロ切削加工あるいはマイクロ研削加工による微細溝形状評価を行い、加工機の運動性能と工具磨耗を計測させ、加工計測フィードバックにより10ナノメートルの形状精度での溝加工法を確立することを目的とする。今年度においては、昨年度に引き続き、赤外領域において使用される回折溝を作成する母材である硫化亜鉛ウエハーに赤外線領域での回折格子として機能させるための単結晶ダイヤモンドを用いた延性モード切削を試みた。工具長寿命化のため、単結晶ダイヤモンドの結晶方向を高脆材料の加工に最適化された工具を用い加工条件の最適化を試みた。超精密3次元加工機上に設置されたレーザオートフォーカス式機上測定器を用いて、微細溝の測定試験を行い、サブミクロンレベルの測定性能を確認した。本計測器とダイヤモンド工具を用いた加工フィードバック実験を行い、工具交換に対応した大面積回折格子の加工手法を開発した。加工機上でスポット測定を行うことを目的として、加工された面による出射光を測定・評価する装置の設計ならびに試作を行った。また加工された回折格子による回折光を加工機上で評価を行う新たな手法として、シャックハルトマン式波面計測装置とレーザを用いた新たな計測手法を考案し、フィゾー式レーザ干渉計を用いた基礎的な試験を行った。
|