研究概要 |
本研究では,これまでに得てきた"流動不安定要素の源となるプラズマエッジ部においてナノ粒子が急成長する"という知見の上に立ち,独自に構築してきた数理モデルをさらに発展させることで,プラズマ流の乱流不安定性とナノ粒子生成・成長機構の相関関係を解明し,乱流変動場を積極的に誘起して制御するという新規デバイスの考案・開発を行い,最終的に学際的知見を結集したナノ粒子創製システムを構築することを目的としている. 具体的には以下に記すように理論的アプローチと実験的アプローチの両面から研究を行う. (1)理論的アプローチとして,まずプラズマ流近傍におけるナノ粒子群の集団的な成長過程を解析するための数理モデルの構築を行い,計算を進める.また熱・物質移動過程や相変化,電磁場を含む複雑流動場を効率的にシミュレートするためにSPH法の適用範囲の拡張を試みる.これらを統合することで,実験計測では抽出困難な情報を得て,現象の詳細を解明し,実機設計の指針を立てる. (2)実験的アプローチとして,変動モード制御デバイスを作成し,境界層やせん断層中の不安定成長場に適用し,性能の評価を行う.次いで,その系で均一核生成・不均一凝縮・粒子間凝集によって生成するナノ粒子群に関する計測を行い,制御効果を評価する. (3)両アプローチそれぞれからの情報を補完・融合することで,プラズマ流ナノ粒子創製システムの構築・最適化を試みる.
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