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2009 年度 実績報告書

非平衡・非定常状態における細胞膜機能変化の分子的機構:せん断力による変化

研究課題

研究課題/領域番号 20760114
研究機関大阪大学

研究代表者

越山 顕一朗  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (80467513)

キーワード膜面積変化 / 脂質二重層膜 / 非平衡 / 非定常 / 混合脂質膜 / せん断
研究概要

本研究の目的は,流体現象に伴って発生するせん断力の影響による細胞膜の機能変化を,分子レベルの構造変化とそれに基づく物性値の変化という観点から明らかにすることである.この研究においては,複雑系である細胞膜をその構成部分に分けた分子モデルを構築し,その膜の分子モデルに対して様々な状況でのせん断力を働かせるコードを開発することが特色となっている.この目的のために,本年度は,昨年度開発した細胞膜を構成部分に分けた分子モデルに対してせん断力に伴う膜面積変化を与えるコードを開発した.具体的には,POPC単一脂質膜,DPPC単一脂質膜によって表現された最も単純な細胞膜分子モデルに対して従来の方法でせん断力を与え,これにより膜面積が増加する可能性を見出し,その知見を基に,細胞膜分子モデルの膜面積変化を与えるコードを新たに開発した.この研究によりせん断に伴う膜面積変化に対する膜の応答を調べ,膜面積の増加に伴い膜の構造の一部に水分子が流れ込み,膜を貫く穴構造ができることが確認された.またシミュレーションを実行するための計算パラメータの最適化に成功した,この予備的な研究は,次年度の研究計画である,せん断力を様々な細胞膜分子モデルに対して適応するシミュレーションの土台となるものである.細胞膜の分子モデルの開発に関して,昨年度より得られてきた成果を2009年度の日本計算工学会に発表した.また,せん断力に伴う膜面積の増加による膜構造の変化に関しては,その初期段階での結果を,2009年度のThird Switzerland-Japan Workshop on Biomechanicsにて発表した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Molecular Dynamics Simulation of Rupture of a Phospholipid Bilayer under Mechanical stresses2009

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro Koshiyama
    • 雑誌名

      Proceedings of Third Switzerland-Japan Workshop on Biomechanics 2009

      ページ: 102-102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 二種類の脂質分子による脂質膜の分子動力学シミュレーション2009

    • 著者名/発表者名
      越山顕一朗
    • 雑誌名

      計算工学講演会論文集 Vol.14

      ページ: 35-36

  • [学会発表] Molecular Dynamics Simulation of Rupture of a Phospholipid Bilayer under Mechanical stresses2009

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro Koshiyama
    • 学会等名
      Third Switzerland-Japan Workshop on Biomechanics 2009
    • 発表場所
      Engelberg, Switzerland
    • 年月日
      2009-09-02
  • [学会発表] 二種類の脂質分子による脂質膜の分子動力学シミュレーション2009

    • 著者名/発表者名
      越山顕一朗
    • 学会等名
      第14回計算工学講演会
    • 発表場所
      東京大学生産技術研究所
    • 年月日
      2009-05-12

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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