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2010 年度 実績報告書

非平衡・非定常状態における細胞膜機能変化の分子的機構:せん断力による変化

研究課題

研究課題/領域番号 20760114
研究機関大阪大学

研究代表者

越山 顕一朗  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (80467513)

キーワード膜面積変化 / 脂質二重層膜 / 孔構造 / 非定常 / コレステロール / 分子動力学シミュレーション
研究概要

本研究の目的は,流体現象に伴って発生するせん断力の影響による細胞膜の機能変化を,分子レベルの構造変化とそれに基づく物性値の変化という観点から明らかにすることである.この研究においては,複雑系である細胞膜をその構成部分に分けた分子モデルを構築し,その膜の分子モデルに対して様々な状況でのせん断力を働かせるコードを開発することが特色となっている.この目的のために,本年度は,研究初年度に開発した細胞膜を構成部分に分けた分子モデルに対して,昨年度開発したせん断力に伴う膜面積変化を与えるコードを適用して得られた結果の詳細な解析と,せん断力が作用する環境下において細胞膜に水分子が輸送されることによる膜の孔構造の形成に関して詳細な解析を行った.DPPC単一脂質膜によって表現された最も単純な細胞膜分子モデルに対して,膜の疎水部分に水分子を挿入し,その後の膜構造の変化を調べたところ,初期に挿入する水分子の数に依存して,膜に孔構造が自発的に発生することがわかり,これは,波動に基づく細胞膜の透過性変化の分子的機構の一つとなることが予測できた.この結果は,2010年,Physical Review Letter誌に掲載された.次に,初年度に開発した細胞膜分子モデルの中で,POPC単一脂質膜,POPC/コレステロール混合脂質膜に対して,昨年度開発したLees-Edwards法,および衝撃波力積モデルを用いて細胞膜の分子モデルに対してせん断力を与え,細胞膜の構造変化を調べた.この研究により,コレステロールの含有により膜に垂直な方向の構造変化が抑制される一方で,せん断力によるPOPC分子の傾きは逆に促進されることがわかった.この結果は,日本機械学会平成22年度年次大会において発表した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Self-organization of a stable pore structure in a phospholipid bilayer2010

    • 著者名/発表者名
      Koshiyama K, Yano T, Kodama T.
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 105 ページ: 018105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] せん断応力下での細胞膜構造変化:分子シミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      越山顕一朗, 和田成生
    • 雑誌名

      日本機械学会2010年度年次大会講演論文集

      巻: 8 ページ: 131-132

  • [雑誌論文] 細胞の高速な変形に伴う膜破断:分子動力学シミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      越山顕一朗, 和田成生
    • 雑誌名

      第23回計算力学講演会CMD2010要旨集

      巻: (In CD)

  • [学会発表] 細胞の高速な変形に伴う膜破断:分子動力学シミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      越山顕一朗, 和田成生
    • 学会等名
      第23回計算力学講演会
    • 発表場所
      北見
    • 年月日
      2010-09-23
  • [学会発表] せん断応力下での細胞膜構造変化:分子シミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      越山顕一朗,和田成生
    • 学会等名
      日本機械学会2010年度年次大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2010-09-07
  • [備考]

    • URL

      http://sites.google.com/site/drkklab/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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