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2008 年度 実績報告書

抵抗低減流体の壁面極近傍流動特性と乱流抵抗低減メカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20760117
研究機関首都大学東京

研究代表者

小方 聡  首都大学東京, 東京理工学研究科, 准教授 (50315751)

キーワード抵抗低減 / 非ニュートン流体 / エバネッセント光 / 流体工学
研究概要

高分子や界面活性剤に代表される添加剤は, 流体の流動における抵抗を大きく減少させる効果を持つ. この抵抗減少効果に関連する研究は, 近年の省エネルギー問題に密接に関わることから, 非常に重要な研究テーマの一つである. 抵抗減少効果のメカニズムに関しては, 高分子の分子鎖の絡み合いや界面活性剤ミセルの絡み合いが乱れを抑制することが報告されている. しかしながら, 実際にそれらの絡み合いを流れ場中で観察した研究はなされておらず, 現時点では推測の域を出ていない. 本研究はこれらの抵抗低減流体の低減メカニズムをミクロ的な見地から明らかにすることを目的としている. 抵抗低減のメカニズムは特に壁近傍の流れが重要であるため, 測定には従来の研究で用いてきたエバネッセント光顕微鏡を用い壁面極近傍に絞ってその挙動を明らかにする.
本年度は壁面近傍流れの測定方法や測定精度・測定誤差を明らかにすることを目的とし, 流れ場中における速度分布測定方法の確立および圧力損失測定方法の確立を行った. 得られた成果は以下のようにまとめられる.
(1)エバネッセント光顕微鏡による壁面極近傍のニュートン流体の挙動を観察した. 従来の直径100nmの蛍光粒子に加え, 直径20nmの蛍光粒子をトレーサに用いた. そして, 壁面極近傍(壁面から50nmの位置)の蒸留水の速度分布を詳細に得ることが出来た. この50nmは従来の速度分布測定限界を5分の1に縮めるものであり, マイクロPIVの観点から非常に意義のある結果である.
(2)流路高さ500μmのマイクロチャンネルの蒸留水に対する圧力損失測定を行い, 理論値と非常に良く一致する結果を得た. マイクロチャンネルの圧力損失を正確に測定することは非常に難しいが, 装置を精度良く作製することでそれを可能とした. この結果は次年度の研究目的を達成させるために非常に重要な結果である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] エバネッセント光による壁面極近傍の流動測定に関する研究(高分子添加がマイクロチャンネル内流れに及ぼす影響)2008

    • 著者名/発表者名
      小方聡, 神田健介, 小野塚拓也, 楊明
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集 74巻748号B

      ページ: 2452-2458

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 3-D thermodynamic analysis of superhydrophobic surfaces2008

    • 著者名/発表者名
      Ken YAMAMOTO and Satoshi OGATA
    • 雑誌名

      Journal of Colloid and Interface Science Vol.326

      ページ: 471-477

    • 査読あり
  • [学会発表] 3D-TIRFMによるナノ粒子密度分布測定と溶液の電気的影響の評価2008

    • 著者名/発表者名
      小方聡, 神宮一斐, 神田健介, 楊明
    • 学会等名
      日本機械学会2008年度年次大会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      2008-08-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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