研究概要 |
本研究は, ヒューマノイドの自然な動きや特異点を利用した動作を実現することを目指し, 特にヒューマノイドの膝特異点(膝を伸ばした状態)近傍を用いた自然な歩行運動を実現することを目的とする. 本年度は, 実験用小型ヒューマノイドロボットを新たに購入し, 実験システムの構築を行った. また合わせて, 購入したロボットためのシミュレーション環境の構築を行った. これまでに我々が議論してきた, 過大な関節角速度を発生することなく特異点近傍を通過するための動歩行軌道計画手法を発展させ, より安全に, より効率的に特異点近傍を利用するための歩行軌道計画手法について, シミュレーションにより検討を行った.これまでに我々が提案した, 線形倒立振子と支点上下動を用いた歩行軌道計画手法をもとに, より特異点近傍を利用するための支点上下動の計画を試みた. しかしシミュレーションの結果, これまでに試みた上下動の計画方法では, 従来よりも特異点に近い状態を利用しようとした際に安定性を確保できなくなる場合があることがわかった.また, 歩幅の変更などに対して着地位置の調整を適用した場合にも, 特異点に入り過大な関節角速度が生じる場合がある.21年度には, これらの問題を解決しより安全に特異点近傍を利用するための軌道計画, 制御手法を開発する必要がある.
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