研究概要 |
平成20年度は多自由度柔軟変形ロボットの機構構成の検討と試験機の試作までを行った. 当初の検討では構成する内部エアバッグの形状をワイヤによって拘束し, 内部エアバッグ同士を相互に干渉させることによって全体の形状を変形させ推進させる計画であった. しかし内部エアバッグの数を増やすためには1ユニットあたりの制御の必要な自由度をなるべく減らす必要があり, その結果としてワイヤの制御自由度が必要な当初の案をやめることとした. さらに応用事例を再検討し, 本研究では全方向移動可能なマット型柔軟変形ロボットの開発を行うことにする. マット状の柔軟変形ロボットを推進させるためには, 推進方法を(a)本体が変形して推進,(b)繊毛などの別機能により推進の2つに大きく分けることができる. 本研究では(a)を実現させるために構成する複数のエアバッグの協調動作によって推進運動を実現する. これまでに先行研究で開発してきた細長い体幹で構成するヘビ型ロボットの場合は, 後ろから前へ縦波を送るように体幹を地面から浮かせて移動させ, これを連続的に行うことにより推進する. この推進方式を実現し, かつ1次元のヘビ型形状から2次元のマット型形状へ拡張するために1辺100mmの連結可能な立方体型エアバッグの試作を行った. このエアバッグは排気を行うと接触している地面から離れるようにエアバッグの内側へ収縮する構造としている. また連結用のタブ, 形状拘束用のロッドを通すための吊輪を持つ. 各エアバッグはそれぞれ独立して給気, 排気, 保持の3状態を制御する必要があるので, 各エアバッグ毎に独立して制御するために5ポート弁を採用した. このエアバッグを16個連結して動作実験を行う予定でいる.
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