研究概要 |
平成21年度は多自由度柔軟変形ロボットの試作として,複数の小エアバッグで構成するマット状の柔軟変形ロボットを開発し,小エアバッグの協調動作によって行う推進方式の検討を行った. これまでに先行研究で開発してきた細長い体幹で構成するヘビ型ロボットの場合は,後ろから前へ縦波を送るように体幹を地面から浮かせて移動させ,これを連続的に行うことにより推進する.この推進方式を実現し,かつ1次元のヘビ型形状から2次元のマット型形状へ拡張するために1辺100mmの連結可能な立方体型エアバッグの試作を行った.このエアバッグは排気を行うと接触している地面から離れるようにエアバッグの内側へ収縮する構造としている.また各小エアバッグには連結用のタブ,形状拘束用のロッドを通すための吊輪を持ち,連結した小エアバッグを外部に配置する形状拘束用ロッドによって拘束し,収縮時に形状を保持する.各エアバッグはそれぞれ独立して給気,排気,保持の3状態を制御する必要があるため,各エアバッグ毎に独立して制御するために5ポート弁を採用した。そして形状拘束用ロッドによって拘束することにより連続する小エアバッグの膨張する力を利用して隣接する小エアバッグの排気を効率よく行い,スムーズな伸縮運動を実現できる. 試作した小エアバッグを4個直列に連結し動作実験を行った.その結果,形状拘束用ロッドによって隣接する小エアバッグの膨張する力を利用してスムーズな伸縮を行える事を確認した.そして小エアバッグを連続して膨張と収縮を繰り返して後ろから前へ伝播する縦波を生成して推進を行う実験を行った.しかし収縮時に内側へ収縮するエアバッグの端部が地面との摩擦を生み,それが原因で前方への推進を行うことができなかった.
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