研究概要 |
家庭,医療,福祉など人間生活に近い場で作業可能な多指ロボットハンドシステムの開発が求められている.しかしながら,現在のところ,多指ハンドは人間の手ほど多くの機能を有することができていないため,その活用の範囲は限られている.本研究では,道具,中でもピンセット形道具に着目し,ピンセット形道具により,直接触ることのできない物体を把持・操るシステムを開発することを目指す. 以上のような目的のもとに研究を行い,以下のような成果を得た. 1.前年度までに開発した表面剛性可変の機能を持つロボットハンドに,手首部移動機構を付加し,ピンセットによる物体把持だけでなく,ピンセット把持状態のまま,ロボットハンドを移動させることが可能となった. 2.接触点位置が曖昧であったとしても物体把持を確実に行うことができる手法を開発した.これにより,ピンセット・対象物間,ピンセット・ロボットハンド間の情報が曖昧であったとしても確実に把持が可能となった. 3.ピンセットによる対象物把持に関するデータベース,ロボットハンドによるピンセット把持に関するデータベースを作成し,データベース検索に基づいてピンセットによる物体把持・操作が可能となる手法を構築した. 4.関節についているモータの作動範囲をもとに,物体把持における操作性を評価する新しい手法を構築した.ピンセットによる物体把持・操りを実際にロボットに行わせる際,必要となる把持・操り計画ための指標を導出した.
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