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2008 年度 実績報告書

物理的意味をもつリーマン距離に基づく生体運動の理解

研究課題

研究課題/領域番号 20760175
研究機関立命館大学

研究代表者

関本 昌紘  立命館大学, 総合理工学研究機構, 研究員 (40454516)

キーワード慣性 / 運動計測 / 解析力学 / 多関節運動 / リーマン距離 / ロボティクス / 運動制御 / リーチング
研究概要

多関節系の慣性運動をリーマン距離の観点から力学的・数学的に特徴づけ, それに基づいた, 生体運動の解析手法, 多関節ロボットの運動制御法を示すことを, 本研究の目的としている. 本年度は, リーマン距離による多関節運動の解釈, 生体運動における慣性誘発効果の度合いを測る「慣性運動メジャー」の提案を行った. 回転関節により結合される剛体リンク系のとり得る姿勢全体の集合は, 微分可能多様体とみなせる. この多様体に, 多関節系の慣性行列からなるリーマン計量を定義すると, その多様体はリーマン多様体となる. このリーマン多様体で適当に選んだ2点(各点は多関節系の各姿勢に対応する)において, 2点間をリーマン距離で結ぶ測地線は, 力学的には,多関節系が2姿勢間を慣性誘発力(慣性力, 遠心力, コリオリカ)のみの作用によって動くときの運動に対応することを明らかにした. 平面4自由度剛体リンクアームの場合, リンクに枝分かれのある場合(人間の全身モデル)について運動のシミュレーションを行い, それらが力学的に自然で滑らかな運動であることを確認した. さらに,多関節系のある部分が環境と接しながら運動する場合, すなわち, ホロノミック拘束のある場合でも, 拘束条件を満足する姿勢の部分集合を考えれば, その集合がリーマン部分多様体となり, 拘束のない場合と同様に扱えることを示した. また, これらのリーマン距離の力学的性質に基づき, 人間の運動中の慣性誘発運動の度合いを測る慣性運動メジャーを提案し, その効果をコンピュータ上で作り出した力学的に理想的な運動に適用することで確認した. 慣性運動メジャーは, 人間が慣性をどのように扱っているか, 運動中のどの区間で慣性を利用しているかを定量的に示し得る. 現在, 実際のリーチングデータにこのメジャーを適用し, 運動解析を行っている. その他, 慣性誘発効果を巧みに利用する, 多関節ロボットの運動計画の可能性を示唆した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A Riemannian-geometry approach for control of robotic systems under constraints2009

    • 著者名/発表者名
      S. Arimoto, M. Yoshida, M. Sekimoto, and K. Tahara
    • 雑誌名

      SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration 2

      ページ: 107-116

    • 査読あり
  • [学会発表] リーマン距離に基づく慣性運動メジャー2008

    • 著者名/発表者名
      関本昌紘, 有本卓, 川村貞夫
    • 学会等名
      第9回(社)計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2008)
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜県)
    • 年月日
      2008-12-07
  • [学会発表] 多関節運動の力学的解析-リーマン距離に基づく生体運動の理解-2008

    • 著者名/発表者名
      関本昌紘
    • 学会等名
      計測自動制御学会四国支部講演会
    • 発表場所
      香川大学工学部
    • 年月日
      2008-11-20
  • [学会発表] Skilled-motion plannings of multi-body systems based upon Riemannian distance2008

    • 著者名/発表者名
      M. Sekimoto, S. Arimoto, S. Kawamura, and J.-H. Bae
    • 学会等名
      2008 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA2008)
    • 発表場所
      Pasadena, California, USA
    • 年月日
      2008-05-21

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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