研究概要 |
20年度の取り組みにおいては, 第一に当初考案していた「オープンブリッジ構造」のソフトスイッチング双方向DC-DCコンバータ回路の動作をシミュレーション解析にて検証した。その結果, 1)ソフトスイッチング方式による双方向電力制御特性と2)広範囲におよびソフトスイッチング動作を明らかにした。しかし, スイッチング損失の低減と相反して, 半導体スイッチ素子数の増加から導通損失の増加, およびその発熱処理の複雑化を招く恐れがあることが課題点として明らかになった。 そこでこの問題点の解決策として, 回路構造の簡単化と制御システム構築の容易化を目的として2種類の非絶縁DC-DCコンバータの組み合わせによる高昇降圧比型双方DC-DCコンバータを新たに考案し, その動作検証を行っている。この新回路構造では入出力電圧の動作範囲を従来の回路構造と同条件で動作させても, スイッチング素子の耐圧および電流定格を増加さすことなく双方向電力変換が可能である特性を持つ。 また, 新型パワーデバイスの適用による電力変換器の高効率化についても検討を加え, とくに回路の昇圧モード時に環流ダイオードとして動作するダイオードのシリコンカーバイドショットキバリアダイオード(SiC-SBD)化により, スイッチング損失を大幅に低減できることを実証試験により明らかにした。 今後, 試作機による実証試験を中心に本双方向コンバータの評価を行う。
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