研究概要 |
出力変動の激しい太陽光・風力発電の大量導入により,電力系統の需給バランス維持が困難になり,周波数変動が生じることが懸念されている。そこで,電気温水器のような熱エネルギーバッファを有する負荷の消費電力を制御し,太陽光・風力発電の出力平準化を行うことを検討した。今年度は,特に下記の2項目の研究を実施した。 熱負荷の試作:代表的な熱負荷である電気温水器の制御回路に,平成20年度の研究で作成した系統周波数測定・制御回路を組み込んだ。また,提案する制御アルゴリズムの中で,将来平均消費電力を推定するが,そのために必要な温度センサの組み込みも行った。試作した電気温水器は,系統周波数(分解能0.01Hz以下,1秒毎計測)の計測,および貯湯槽内の水の温度分布を測定して自身の将来平均消費電力を算出することができ,さらにこれに基づいて自身の消費電力を制御できる。 試作熱負荷の動作試験:試作した可制御熱負荷(電気温水器)の動作試験を行った。利用者の利便性を損なわないために午前7時までに貯湯槽内の水を設定温度まで沸きあげるという制約の下で,周波数の変化により消費電力を調整(オン・オフ)するという,期待通りの動作をすることを確認した。
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