半導体の性質と磁性体の性質を併せ持つ材料である希薄磁性半導体は、これまでにはない新しい機能を持つ画期的なデバイスを生み出す材料として注目されている。その中で、新たな希薄磁性半導体として、バナジウムを添加したZnSeは室温以上で強磁性を示すことが理論的に予測されている。常圧下において有機金属気相成長法により(100)GaAs基板上にバナジウム添加ZnSe膜をエピタキシャル成長させ、その結晶性や光学特性、磁気特性におよぼすバナジウム添加の影響について調べた。室温において磁気特性の評価を行った結果、バナジムを0.2at%添加したZnSeエピタキシャル膜では超常磁性的な振る舞いが見られた。
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