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2008 年度 実績報告書

格子整合系GaAs/AIGaAs自己形成量子ドットレーザの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20760207
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

間野 高明  独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ドットセンター, 主任研究員 (60391215)

キーワード量子ドット / 量子閉じ込め / 結晶成長 / 高性能レーザ / 自己組織化
研究概要

平成20年度は量子ドット作製技術の高度化に関する研究を主に行った。これまでは主にGaAs(100)基板を用いていたため、ピラミッド状量子ドットを作製すると、量子ドットの均一性が著しく劣化するという大きな問題があった。今回、Ga極性面であるGaAs(311)A面を使用する方法を新たに開発し、ガリウム液滴を非常に弱い強度の砒素照射で結晶化してもピラミッド型量子ドットが形成可能であることを見いだした。これにより、量子ドットのサイズ均一性が大幅に向上し、発光の半値幅を約1/3に低減することに成功した。結晶化後の構造の詳細な構造観察により、基板表面に於けるガリウムの拡散の抑制及び結晶方位の異方性により、形成機構は(100)面上の一重リング構造の形成と類似であるが実質的にピラミッド型の構造へ結晶化していることが明らかとなった。また、同面方位を用いることにより量子ドットの面密度を増加させることにも成功し、最大で10^<11>/cm^2を超える量子ドットの作製も実現した。続いてこのように作製した量子ドットを用いて光励起によりレ-ザ発振を試みた。量子ドットが均一化したことにより、低温から室温までの温度域でレーザ発振が得られた。これは、格子整合系のピラミッド型自己形成量子ドットとしては世界初である。量子ドットの密度を上昇させた試料に於いては、サイズが小さくなることにより、高温域での発振特性はキャリアの熱活性化により悪化するものの、低温域では温度特性が改善する様子が観察された。これらに関しては今後さらに研究を進める予定である。また、量子ドットの高密度化を目的にその他の面方位基板上に於ける液滴エピタキシー法を試みた結果、(110)面上で、ステップ端に起因する配列効果を実現した。これは、レーザとはあまり関連しないが、配列量子ドットは量子情報デバイスなどへの応用が期待されることから、今後の発展が期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] High-density GaAs/AIGaAs quantum dots formed on GaAs (311)A substrates by droplet epitaxy2009

    • 著者名/発表者名
      T. Mano, T. Kuroda, K. Mitsuishi, T. Noda, and K. Sakoda
    • 雑誌名

      Journal of Crystal Growth 311

      ページ: 1828-1831

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ordering of GaAs Quantum dots by droplet epitaxy2009

    • 著者名/発表者名
      T. Mano, T. Kuroda, T. Noda, and K. Sakoda
    • 雑誌名

      Physica Status Solidi B 246

      ページ: 729-732

    • 査読あり
  • [雑誌論文] GaAs/AIGaAs quantum dot laser fabricated on GaAs (311)A substrate by droplet epitaxy2008

    • 著者名/発表者名
      T. Mano, T. Kuroda, K. Mitsuishi, Y. Nakayama, T. Noda, and K. Sakoda
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters 93

      ページ: 203110-1-203110-3

    • 査読あり
  • [学会発表] High-density GaAs/AIGaAs quantum dots formed on GaAs (311)A substrates by droplet epitaxy2008

    • 著者名/発表者名
      T. Mano, T. Kuroda, K. Mitsuishi, T. Noda, and K. Sakoda
    • 学会等名
      15th International Conference on Molecular Beam Epitaxy
    • 発表場所
      カナダ・バンクーバー・ブリティッシュコロンビア大
    • 年月日
      20080803-08

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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