研究概要 |
平成20年度は以下の研究実施計画に基づき研究を行った。 (1)新規小型液晶光学デバイスの設計と作製 焦点距離可変機能を有する円形パターン電極構造の液晶光学デバイス, さらにビーム偏向機能を有する多分割円形パターン電極付き液晶光学デバイスの作製を行った。液晶分子配向及び光学特性のシミュレーション解析等を用いて各種パラメータの設計値を求め, 最適なデバイスの基本設計を立てた。その設計に基づいて液晶光学デバイスを試作し, 光学特性の評価を行った。 (2)半導体レーザと液晶光学デバイスを組み合わせた流速測定装置の作製と評価 新規液晶光学デバイスを用いた流速測定装置を構築した。一点での流速測定装置の試作を行った。生体組織の血流測定を目指すため, 生体組織を模擬したガラス管に赤血球に見立てたポリマー微粒子(5ミクロン)を水に分散した試料を用いた。凹レンズ及び凸レンズ特性を示すように電極に加える電圧を制御し, 散乱光を受信側の光ファイバで受け光検出器(アバランシェフォトダイオード・フォトダイオードアレイ)により測定を行った。測定信号を高速フーリエ変換の周波成分により流速の解析を行い, ガラス管表面と内部の流速の分布測定を行った。多分割円形パターン電極を有する液晶光学デバイスを用いることにより, 凹レンズ及び凸レンズ特性のみならず偏向機能を用いて, 微粒子の3次元流速分布の測定を行った。 (3)一次評価・まとめ 今年度の研究成果に対する一次評価を行い, 次年度以降への改善すべき問題点等を明確にした。
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