研究概要 |
平成21年度は以下の研究実施計画に基づき研究を行った。 (1)酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビンの光吸収スペクトルの測定と小型光断層装置に用いる半導体レーザの選別 酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビンの光吸収スペクトルの測定と小型光断層装置に用いる半導体レーザの選別として,研究協力者による生態組織(上腕血管,脳など)内における血流等についてアドバイスを受け,それを参考に酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビン等の吸光度スペクトルの違いから測定光源とする半導体レーザ波長について決定した。 (2)半導体レーザに対応する液晶光学デバイスの試作と光断層流速測定装置の作製 流速測定装置へ用いる2重円形パターン透明電極構造を有する液晶光学デバイスを試作し,球面収差をλ/10以下に抑え凹レンズおよび凸レンズ特性でのレンズパワー可変範囲の増大について評価を行った。その結果,従来のレンズ特性を示す液晶光学デバイスに対して約2倍以上のレンズ特性の改善を得ることが可能となった。また,光偏向機能を付加するため円形パターン電極を等分に分割することで偏波面の偏向位置を制御することができた。この試作した液晶光学デバイスを用いて光断層流速測定装置を作製し,液晶光学デバイスを出射する光の偏光方向に対して,直交偏光となるように偏光フィルムを受光側の光ファイバ端面に取り付けることにより,表面からのノイズ光とする表面反射光を遮断し,散乱光信号のS/N比を向上できることが見られた。
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