研究概要 |
本研究では,来たるべきユビキタスコンピューティング環境において,ユーザ主導でコンテキストアウェアサービスを管理・構成するために必要となる技術課題を再整理し,実世界に遍在するリソースをDIY(Do It Yourself)式に連携するための管理フレームワークを設計した.具体的には,異なるドメインで提供されるセンサ情報や,アクチュエータの操作をRESTアーキテクチャに則って行うためのプロトコル変換方式の開発と,公開されているリソースを連携してカスタマイズされたサービスを構成するためのランデブーベースのリソース連携方式の開発を行った. 開発したプロトコル変換ソフトウェアを利用することで,センサ情報やコンテキスト情報,情報源,アクチュエータをすべてリソースと見なし,これらにグローバルユニークなURIを割当て,XMLを用いてアクセスすることができる.本研究が本質的に明らかにしたことは,コンテキストアウェアサービスを構成する要素としては情報の提供者(Producer)と消費者(Consumer)がおり,この両者のインタフェースマッチングを行う中間要素(Filter)の連携によって表現可能であるということである.このリソース連携を,オーバーレイネットワークを用いて実装することで,各種のコンテキストアウェアサービスをスケーラブルに構成することができる.本リソース連携方式をテストベッド上に実装し,現実的なシナリオにおいてその有効性を確認した.
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