研究概要 |
本研究では,来たるべきユビキタスコンピューティング環境において,ユーザ主導でコンテキストアウェアサービスを管理・構成するために必要となる技術課題を再整理し,実世界に遍在するリソースをDIY(Do It Yourself)式に連携するための管理フレームワークを確立した.具体的には,WWWのスケーラビリティの高さに着目し,RESTアーキテクチャスタイルとランデブーポイントベースの通信モデルに基づいたセンサ,アクチュエータのリソース管理手法を設計,実装した. 本年度は,特に異種ネットワークデバイスの統合的な管理,制御方式の研究を進めることで,当該方式の有用性の評価を行った.センサネットワークやLANに接続されたプリンタ,無線LANアクセスポイントなどのネットワーク機器は,通常満足な情報提示インタフェースを持たない.したがってこれらの機器を利用する際にはSNMPなどのモニタリングプロトコルを通じて管理情報を取得することになる.しかしそうであるが故に,操作したい機器が目の前にあるのにその情報(障害情報や設定情報)がその場で手に入らないという問題がある.そこでDIYコンテキストアウェア情報基盤を活用しあらゆる機器の障害情報をRESTfulインタフェースで提供し,これをランデブーポイントで集約し,ユーザが持ち歩く携帯端末から機器の障害情報や設定情報をAugment Reality技術により直感的に提示するソフトウェアを実装した.また,SNMPによる管理情報をRESTfulインタフェースを通じてスケーラブルに提供する際に必要となるキャッシング技術についても提案し,その有効性を評価した.
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