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音声に重畳する周囲環境騒音の抑圧方式である適応線形予測器(LP)およびシステム同定を用いる騒音抑圧手法について、演算量の削減並びに補聴器における強調音声の音質改善のために直並列型IIR(Infinite Impulse Response)適応フィルタの導入について検討を行った。さらに、昨年度までに検討した騒音抑圧システムのDSP実装を行った。以下にその概要を述べる。
騒音抑圧手法について、適応線スペクトル強調器(ALE)、適応線形予測器(LP)およびシステム同定を用いる騒音抑圧法について検討を行ってきた。しかし、騒音を推定するための適応フィルタにFIR(Finite Impulse Response)型を用いるために多くのタップを必要とし、演算量が増加する問題が生じた。また、強調音声について十分な音質が得られない問題があった。そこで、騒音推定用適応フィルタに直並列型IIR適応フィルタを導入した。これにより、騒音生成モデルが長いインパルス応答を持つ場合にも、少ないタップにより騒音推定が可能となり演算量が削減された。さらに本IIR適応フィルタは、タップ入力として外乱と入力信号の相関値を用いる。これにより、騒音推定用適応フィルタにおいて外乱である音声の影響を抑えることが可能となり、最終出力である強調音声の音質が改善される。
また、昨年度までに検討した騒音抑圧システムをDSPへ実装し、本騒音抑圧システムがDSPを用いてリアルタイム動作可能であることが確認された。
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