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2010 年度 実績報告書

周囲環境適応型騒音抑圧システムの補聴器への応用開発

研究課題

研究課題/領域番号 20760240
研究機関鳥取大学

研究代表者

笹岡 直人  鳥取大学, 工学研究科, 助教 (80432607)

キーワード情報通信工学 / 信号処理 / 音声騒音抑圧 / 適応フィルタ / 補聴器
研究概要

音声に重畳する周囲環境騒音の抑圧方式として適応線形予測器(LP)およびシステム同定を用いる手法について検討を行った。本年度は強調音声の音質改善のために線形予測器にラティス型フィルタを導入し、昨年度に提案した直並列型IIR(Infinite Impulse Response)適応フィルタを導入する手法については実騒音に対する評価を行った。さらに、昨年度までに検討した騒音抑圧システムを基に補聴器を試作し、その主観評価を行った。以下にその概要を述べる。
周囲環境適応型騒音抑圧手法について、これまでLPおよびシステム同定を用いる手法について検討を行ってきた。しかし、強調音声について十分な音質が得られない問題があった。そこで昨年度は、騒音推定用適応フィルタとしてタップ入力に外乱と入力信号の相互相関を用いる直並列型IIR適応フィルタを導入した。これにより、音声と騒音は確率統計的に独立であるため、騒音推定に用いるフィルタ入力に含まれる音声成分が低減され、音質の向上が可能となる。このシステムについて本年度はトンネル内で収録された騒音,工場内騒音による評価を行い、有効性を確認した。また更なる音質改善のため、LPにラティス型フィルタを導入した。音声生成過程はラティス型フィルタにより近似されるため、ラティス型フィルタの導入により音声推定精度が向上する。これにより、騒音推定用適応フィルタにおいて外乱である音声の影響を抑えることが可能となり、最終出力である強調音声の音質が改善される。
また、昨年度までにDSP実装した周囲環境適応型騒音抑圧システムを基に簡易的な補聴器を作成し,その主観評価を行った。その結果、周囲環境適応型騒音抑圧システムを搭載した補聴器において音質を維持しつつ騒音を抑圧する効果が確認された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] A Study on Speech Enhancement Based on Lattice Predictor and System Identification2010

    • 著者名/発表者名
      Takafumi Takemoto
    • 雑誌名

      Proc.2010 International Workshop on Information Technology (ICT2010)

      ページ: S-I-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Study on Noise Estimation Based on Robust Equation Error IIR ADF for Speech2010

    • 著者名/発表者名
      Naoto Sasaoka
    • 雑誌名

      Proc.of 10^<th> International Conference on Signal Processing (ICSP2010)

      ページ: 127-130

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Speech Enhancement Based on Lattice Filter and System Identification2010

    • 著者名/発表者名
      Takafumi Takemoto
    • 雑誌名

      Proc.of International Symposium on Communications and Information Technologies 2010 (ISCIT2010)

      ページ: 441-446

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 方程式誤差IIR-ADFを用いた騒音推定に関する一検討2010

    • 著者名/発表者名
      長谷川輝
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      ページ: SIS2010-6

  • [雑誌論文] ラティス型LPEF並びにALEを用いた騒音再合成法に関する一検討2010

    • 著者名/発表者名
      竹本貴文
    • 雑誌名

      電子情報通信学会2010年ソサイエティ大会講演論文集

      ページ: 180

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公開日: 2012-07-19  

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