研究概要 |
本研究課題は,周辺無線通信環境を認知するコグニティブ無線と複数アンテナを用いたMIMO環境を対象とし,第3のシステムが独立に並列送信数を推定して,周波数利用効率を測定する方法の検証と高度化を行う実験的検討である.平成21年度の研究課題はアンテナ本数認知の実験系の構築と検出アルゴリズムの高度化であった. 【アンテナ本数認知の高度化】 昨年度までに,2つの手法を提案した.本年度は,特に画像技術を応用した送信方法について検討を進めた.まず,画像に投影する際の分解能を決める改造度を高めることで,検出精度の改善を試みた.その結果,検出精度の改善に必要な分解能を明確にした.これまで,主システムが選択する並列送信数を限定し,副システムは並列送信数の選択項目が既知として検討をすすめていた.この選択項目も未知とした場合に,選択項目の推定から現在使用している並列数識別の段階検出について検討を進めている. 【実験系の初期構築】昨年度購入した,FPGA(Xilinx社製Virtex-4 TD-BD-APP100)に,並列送信数を識別する環境を構築する.FPGAの扱い方を習熟するため,トレーニングボード(TD-BD-TS102)を導入し,音声信号帯の信号生成と出力法の習得を進めた.次に,APP100に対して,アナログ入出力を可能にする,AD・DA変換機(TD-BD-SPP2000-DACIF-ADCIF)を導入した.現時点は,取り扱い方法について不明確な点が依然多く,それぞれ調査を進めている.来年度早期評価を進めるため,任意信号発生器(WF1974)を用いて,主システムから放出された信号を再現する.そして,生成された信号をAD変換機を通してFPGAボードに入力し,識別精度のみ先行して評価を進める予定である。
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