研究概要 |
本年度は,22年度までの研究で得られた「多領域オンライン学習アルゴリズム」をMIMO (Multiple Input Multiple Output)システムへ拡張し,MIMO多重アクセス通信路(MIMO-MAC)における有効性を実証した.これにより,(i)情報の曖昧さに対するロバスト性に加えて,(ii)高速で安定した収束性を,(iii)少ない計算コストで実現する高性能な機械学習アルゴリズムを構築することができる.この成果は国際会議「International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications」で既発表である他,国際学術雑誌「IEEE Transactions on Signal Processing」に投稿済(査読中)である.また,収束速度を向上きせるため,並列射影に基づく多領域オンライン学習アルゴリズムを提案し,その有効性を実証した.このアルゴリズムは並列構造を持つため,並列計算機により,高速に実行可能であるという利点を持つ.この成果は国際,会議「International Workshop on Multidimensional (nD) Systems」で既発表である.更に,近年,信号処理・情報理論などの分野で注目を集めている圧縮センシングのアイディアを利用したスパース適応アルゴリズムを提案し,スパースな未知系に対して収束速度を著しく改善できることを実証した.この成果は「IEICE Signal Processing Symposium」で既発表である他,国際会議「IEEE International Symposium on Circuits and Systems:2012年5月,ソウル」の特別セッションで発表予定である.
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