1.加圧システムの構築 昨年度において、生体への加振と電磁波応答の基礎特性を評価するために、電流制御型の一定推進力加圧システムを開発し、数100MHzから8GHz程度までの高周波応答の加圧依存性を検討した。センサには同軸コネクタを用いた近傍堺センサを使用してが、同軸コネクタ先端の反射係数変化から、ステップ状の加圧により、ある時定数により比誘電率が低下することが確認できた。皮膚直下においては水分量が比誘電率の変化に対して支配的である。従って、皮膚直下の毛細血管内の血液が加圧により流出するために、比誘電率の低下が起こるものと考えられる。生体の高周波応答として、ステップ状の加圧は、血液粘性や血管抵抗のローパスフィルタ的な性質によりステップ状の変化がなまったような特性を示した。この現象は加圧型の光センサにおいて得られる受光量変化(血液内のヘモグロビン量の変化)の時定数と対応していることがわかった。 2.周波数掃引型5GH帯MIMOドップラレーダシステムの開発 送受信アレイによる周波数掃引型のドップラレーダシステムを開発した。システムである。本システムは送受信アレイ間のアンテナ伝達関数を送信アレイと受信アレイに時間切替方式の低電力効率性、周波数切替方式のコスト増といった欠点を克服した符号変調方式を用いている。特徴としてプリファードペアとなる1組のM系列符号をビットシフトさせて各送受信アンテナに変調させ、全受信信号を多重化した後に検波を行うことにより簡易なシステムを実現している。多重化された信号はGold系列となっているため、ベースバンド信号を既知のGold系列符号で復調することにより、すべての送受信アンテナ間の伝達関数を計測できる。ビームフォーミングを基礎とする三次元分解能を有するドップラ計測システムの評価を行った。
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