研究概要 |
本研究では,不変集合により構成されるインデックスフィードバック制御システムを数理的に解析し,その解析結果をもとに新たな制御システムの設計法を開発すること,さらには,インデックスフィードバック制御に適した斬新な問題設定を創出することを目指している.これらを達成するために,H20-H22年度の実施期おいて,「不変集合を用いたインデックスフィードバック制御システムの数理的解析と設計法の開発」の解決を助成研究の主目的と設定している. H22年度の研究計画では,「インデックスフィードバック制御システムに対する設計法の開発と体系化」および「検証実験およびインデックスフィードバック制御法の実装における問題点の検討および解決」の実施を予定していた.前者に関しては,インデックスフィードバック制御法を構成するのに欠かせない不変集合(最大出力許容集合)のオンライン(近似)計算可能な手法を提案し,既知時不変な参照入力から未知時変な参照入力を想定した制御問題へと拡張した.また,後者に関しては,データの伝送遅延時間を用いることで,正確な状態推定を行えるようになり,その結果,追従特性の改善に効果があることがわかった.そこで,計測した伝送遅延時間を用いたインデックスフィードバック制御法を構築し,実際に行った遠隔制御実験により,その有効性を確認した.さらに,制御対象をカメラが取り付けられた可動雲台に取替え,超解像処理を組み込んだカメラ監視システムへの応用を検討した.ただし,これに関しては,今後より詳細な検討が必要である.
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