• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

高速逐次部分空間同定法によるフィードバック系の実時間変化検出法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20760285
研究機関大阪工業大学

研究代表者

奥 宏史  大阪工業大学, 工学部, 准教授 (20351455)

キーワード制御工学 / 制御理論 / システム同定 / 閉ループ系 / オンライン同定 / 部分空間法 / 変化検出 / 逐次アルゴリズム
研究概要

本研究の目的は,フィードバックループ内に接続された監視対象について,閉ループ系の観測可能な信号より故障等に起因する監視対象の動特性変化をリアルタイムで検出するオンライン変化検出法を開発することである.本研究課題では,閉ループ部分空間同定法(CL-MOESP法)のオンラインアルゴリズムを利用するため,その漸近的性質と最適性の理論的解明が必須である.とくに一致性は,変化検出時における変化箇所の特定において重要である.本年度の研究成果として,まず,CL-MOESP法の漸近的性質について閉ループ同定のいわゆるTwo-stageアプローチの観点から明らかにした.詳細には,同定対象を含む閉ループ系に雑音と無相関な外部励起信号を印加してシステム同定を行い,同定対象の入出力をその外部励起信号からなる空間へ直交射影することにより,フィードバックの影響を除去できて推定値が漸近的に一致することを示した.また,同定対象の次数推定の意味で確度の高いモデルが得られることを示した。さらに,有限個のサンプルデータを用いたときの推定値の最適性に関する諸性質について導出し,CL-MOESP法が重みつき行列最小2乗推定に帰着できることを示した,本研究成果について実機実験による検証も行い,台車系の変化検出,倒立振子台車系の同定実験や,無線操縦ヘリコプタの飛行高度制御系の閉ループ同定実験から,理論の実用性を確認した,とくに,倒立振子台車系とヘリコプタの同定実験では,直接法に基づく既存の閉ループ同定法と比較して,モデルの次数推定の点においてCL-MOESP法が優れた性質をもつことが実証された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 逐次部分空間同定法に基づくオンライン変化検出法と台車系による実機実験2010

    • 著者名/発表者名
      奥宏史
    • 雑誌名

      システム/制御/情報 54巻3号

      ページ: 92-97

  • [雑誌論文] 閉ループ部分空間同定法による倒立振子系の同定実験と制御系設計2010

    • 著者名/発表者名
      奥宏史, 牛田俊
    • 雑誌名

      評測と制御 49巻7号(掲載決定・頁未確定)

  • [雑誌論文] A Change Detection Algorithm based on Recursive Subspace Identification and its Application to a Cart System2009

    • 著者名/発表者名
      奥宏史
    • 雑誌名

      Proceedings of SYSID 2009

      ページ: 982-987

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Experiment on closed-loop subspace model identification of an unstable underactuated system2009

    • 著者名/発表者名
      奥宏史, 牛田俊
    • 雑誌名

      Proceedings of ICCAS-SICE 2009

      ページ: 4902-4907

    • 査読あり
  • [学会発表] MOESP型閉ループ同定法の漸近的性質について2010

    • 著者名/発表者名
      奥宏史
    • 学会等名
      第10回計測自動制御学会制御部門大会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本)
    • 年月日
      2010-03-18

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi