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2009 年度 実績報告書

多方向ひび割れを有する繊維補強コンクリートの疲労構成モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20760299
研究機関東京大学

研究代表者

長井 宏平  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (00451790)

キーワードコンクリート / 繊維補強 / 多方向ひび割れ / 空間平均構成則 / FEM
研究概要

20年度に実施した実験結果をもとに有限要素数値解析に導入可能な空間平均構成モデルを纏めた。せん断モデルの構築に際しては、実験と検証解析を基に普通コンクリートに比べ低いひび割れ面におけるせん断伝達性能と、その軟化挙動を導入した。構築したモデルを有限要素解析プログラムに組み込み、実験の検証を行った。実験で行った複雑な損傷導入プロセスを忠実に再現すると共に、その過程で導入された二方向ひび割れと、強度及び初期剛性の低下、さらにひび割れの開口およびせん断ずれの空間平均挙動を実験と同様にシミュレーションした。次に構造部材のせん断試験の検証を行った。単調、繰り返し載荷時におけるせん断耐力とひび割れパターンの違いを、普通コンクリートのせん断試験の結果と比較とともに示した。以上により、本研究で構築したHPFRCCの空間平均モデルの適用性を示した。
本研究の実験及び解析により示された、HPFRCCの低いせん断特性を改善するための試みとして、従来のHPFRCCでは引張性能を低下させる要因となるため用いられない骨材を混入させた実験を行った。骨材混入量を変化させることによる引張性能の低下およびせん断性能の向上のバランスについて論じ、適切な混入量を選択すれば、せん断性能が向上すると共に、第二ひび割れが主応力軸直角方向に沿うものに変化し、十分な引張性能を有すことを示した。
さらに、HPFRCCとともにFRCに分類される材料として実用化が進む超高強度繊維補強コンクリート(UHPFRC)の多方向ひび割れ発生時の力学特性について、HPFRCCと比較しつつその性能を疲労試験を含め検証した。本研究で用いたUHPFRCは補強材として鋼繊維を用いており、高いせん断強度が得られること、高い充填性がゆえに施工中に生じる繊維の配向の影響が大きいことが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Bidirectional Multiple Cracking Tests on HPFRCC Plates2010

    • 著者名/発表者名
      Benny SURYANTO, Kohei NAGAI, Koichi MAEKAWA
    • 雑誌名

      ACI Materials Journal (印刷中(掲載確定))

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of Coarse Aggregate in High Performance Fiber Reinforced Cementitious Composite2009

    • 著者名/発表者名
      Benny SURYANTO, Kohei NAGAI, Koichi MAEKAWA
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文報告集 31

      ページ: 385-390

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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