研究課題
本研究では、鉄筋腐食に起因した様々な付着状態とせん断耐力、破壊モードの関係について評価することを目的とする。この最終目標のうち、平成20年度は実験的なアプローチから検討した。得られた結論は以下のとおりである。1. 電食により鉄筋腐食させたRCはりの載荷実験から、腐食め程度、腐食発生位置、腐食領域が耐荷機構に与える影響について整理し、特に先行ひび割れの影響により、載荷によって生じるひび割れの角度が変化することがわかった。2. コンクリート部材内部のひずみ分布を測定する方法の精度を確認した。加工アクリル板に3軸ひずみゲージを貼り付け、それをコンクリート部材中に埋め込むことによって、ウェブコンクリート内部のひずみ分布を測定した。その結果より、載荷中コンクリート表面で目視観察できるひび割れより早期に内部ひずみが急変することがあることがわかった。3. 供試体表面に貼り付けた円形ターゲットを用いた画像解析により求めた表面ひずみの分布から、腐食ひび割れによる耐荷機構の変化を把握できることを確認した。4. 支点外の主鉄筋定着部が健全である場合、主鉄筋の腐食程度が進行するにつれてタイドアーチ的な耐荷機構になり、その結果せん断耐力が上昇することを、格子モデルのアーチ部材に着目することによって解析的に明示することができた。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
コンクリート工学論文集 Vol.19, No.3
ページ: 61-70
コンクリート工学年次論文集 Vol.30, No.3
ページ: 1705-1710
http://www2.kobe-u.ac.jp/~mikitomo/research.html