研究課題
前年度検証したコンクリート部材の内部ひずみと表面ひずみを計測する手法を用いて、局部的に鉄筋腐食したRC部材を対象とした載荷実験を行った。実構造物に見られる空間的にばらついた鉄筋腐食の状態を再現するため、コンクリートにひび割れを生じさせた上で電気的に腐食を促進させて局部的な鉄筋腐食を模擬した。また、RC部材中の一部の鉄筋を局部的に腐食させることにより、損傷領域を制御した。このように局所的に鉄筋腐食させたa/d=2.8、および2.83のせん断補強筋を有さないRCはりを対象に載荷試験を実施し、腐食ひび割れが斜めひび割れの進展やはりの耐荷機構に与える影響を検討した。得られた結論は以下のとおりである。(1)せん断スパン内に局所的な鉄筋腐食が存在する試験体は、腐食がない試験体比較して耐荷力が同等、もしくは上昇することが確認できた。(2)画像解析や内部ひずみの計測結果を通して、耐荷力が上昇した腐食試験体では、斜めひび割れに沿うように圧縮ひずみが卓越する領域を確認した。(3)画像解析や内部ひずみの結果を基に、腐食領域と腐食状況からRCはりの破壊モードを斜め引張破壊とせん断圧縮破壊に区分することができた。
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土木学会論文集E Vol.66,No.1
ページ: 94-106
コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集 Vol.9
ページ: 405-410
http://www2.kobe-u.ae.jp/~mikitomo/research.html