研究概要 |
従来のポール基礎が直方体状のコンクリートであるのに対し,本研究で扱うものはブロック組み合わせた形状を成す.ポール基礎の設計は,旧建設省が昭和50年に安定計算法として指針をし,以後,その指針に準じて設計を行っているのが現状である.この指針では直方体の基礎を基本に設計していることから,本研究で示すポール基礎のような形状に対しては,基礎と土との相互作用ょある程度無視して計算を行わなければならず,経済的にも学術的にも好ましいとは言えない.そこで本研究では,このポール基礎の基礎的な力学的性質を明白にすることを目的とする.ここで本研究で取り扱うポール基礎は土と基礎が入り組んだ状態になっており,荷重載荷時には相互に影響を及ぼす.そのため,ポール基礎の変位と周辺地盤の応力(土圧)状態を定量的に把握する.また,旧建設省が提案している安定計算結果と実験値とを比較,検討を行う. 実験では,まさ土の代わりに砂(6号珪砂)を入れ,ポール基礎の模型を設置する.模型とその周囲の土には,土圧計,レーザー式変位計,傾斜計を設置し,横方向に荷重を載荷する.荷重載荷速度は,コンクリートハヘーツの0.1%/min.として実験を行う.なお,荷重はロードセルにより測定し,これらの計測値はデータロガーで記録する.ここでポール基礎の載荷方向や,コンクリートパーツの個数(段数)についても実験・検討を加える. 実験の結果,水平載荷荷重作用時の土圧分布が得られた.この土圧分布は,他の研究で取り上げられている類似の杭の結果とも良好に対応していることが確認できた.また荷重載荷方向を変化させて検討した結果,凸部の土圧は大きく,凹部の土圧は低くでる傾向があることがわかった.ハヘーツと地盤の相互作用が影響していることがこのことから確認できた.
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