研究概要 |
従来のポール基礎が直方体状のコンクリートであるのに対し,本研究で扱うものはブロックを組み合わせた形状を成す.ポール基礎の設計は,旧建設省の「道路附属物の基礎について(昭和50年7月15日付け道路局企画課長通達)」に準じて設計を行っているのが現状であるが,この指針では直方体の基礎を基本に設計している.このことから,本研究で示すポール基礎のような形状に対しては,基礎と土との相互作用をある程度無視して計算を行わなければならず,経済的にも学術的にも好ましいとは言えない.そこで本研究では,このポール基礎の基礎的な力学的性質を明白にすることを目的とする.さて,本研究で取り扱うポール基礎は土と基礎が入り組んだ状態になっており,荷重載荷時には相互に影響を及ぼす.そのため,ポール基礎の変位と周辺地盤の土圧状態を定量的に把握する.また,旧建設省が提案している安定計算法の計算結果と実験値とを比較し検討を行う.実験では,室内実験用の土槽の中にまさ土・6号珪砂を入れ,ポール基礎の模型を設置する.模型とその周囲の土には,土圧計,ひずみゲージ,レーザー式変位計,傾斜計を設置し,横方向に荷重を載荷する.さらにねじり荷重についても検討を加える.なお,荷重はロードセルにより測定し,これらの計測値はデータロガーで記録する.ここでポール基礎の載荷方向についても実験・検討を加える.実験の結果,水平載荷荷重作用時の土圧分布が得られた.この土圧分布は,他の研究で取り上げられている類似の杭の結果とも良好に対応していることが確認できた.また,土圧分布から推測される回転中心位置と,安定計算法から得られる回転中心位置が概ね一致することが確認できた.また,矩形のポール基礎の実験結果と比較を行い,その影響について確認することができた.
|