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2009 年度 実績報告書

地球規模気象・水文情報を活用した水資源管理の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 20760328
研究機関京都大学

研究代表者

野原 大督  京都大学, 防災研究所, 助教 (00452326)

キーワード水資源 / 地球規模気象・水文情報 / 貯水池操作 / 渇水 / 降水予測 / 意思決定支援
研究概要

地球規模気象・水文情報を貯水池管理に導入することを目的として、本年度は、貯水池操作シミュレーションモデルを開発した。初年度に開発済の地球規模気象・水文情報を利用した3か月先までの降水予測モジュールを適用することを念頭に置きながら、低水操作及び洪水操作用の意思決定支援機構を組み込んだ貯水池操作シミュレーションシステムを開発した。低水操作用のモジュールでは、統計回帰式を用いた3か月先までの流量予測モデル、放流操作行動を蓄積するデータベース、予測状況と渇水リスクを考慮した最適放流決定モジュールを開発し、導入した。洪水操作用モジュールでは、出水状況をモニタリングし貯水池の操作規則に基づいて放流意思決定に反映させる過程を導入し、低水操作モジュールに応答をリンクさせるように設計した。これにより、洪水対応操作を行いながら、地球規模・気象水文情報を利用して長期的な渇水リスクを考慮し可能な限りこれを軽減する操作放流意思決定手法を開発することができた。また、貯水池操作シミュレーションシステムにユーザーインターフェイスモジュールを導入し、シミュレーション結果の可視化を行った。
開発した貯水池操作シミュレーションシステムを利用して、吉野川流域早明浦ダムを対象に長期貯水池操作シミュレーションを行った。シミュレーション結果では、地球規模気象・水文情報を活用したことにより、これを用いなかった場合と比較して操作精度に改善が見られた。これにより、近年整備が進められながらもあまり活用されてこなかった地球規模気象・水文観測情報を利用した長期的な水資源管理高度化のための提案手法の有効性が示され、多様な情報源を用いた水資源管理上の意思決定の合理化手法の確立に寄与することができたと考えられる。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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