河道の平面形状を数値計算に適切に反映する方法として一般座標が広く用いられているが、河道湾曲の曲率が大きい場合や分岐・合流がある場合では必ずしも適当は方法とは言えない。特に、本研究で対象としている河川の自然蛇行の平面形状は二価的な形状や河道の短絡までを包括的に取り扱う必要があるものの、一般座標では困難となる場合が多い。この問題の解決のために、平成20度年から2l年度までに境界適合が必要な箇所のみ任意多角形セルを用いてそれ以外は矩形格子を用いる新たな境界適合法、座標軸非依存型の計算方法で求められる計算点配置を完全に自動処理するためのアルゴリズム、このアルゴリズムを実装した自動処理システムを開発した。平成22年度では、部分境界適合法の考え方をさらに発展させ、境界適合が必要な箇所に四分木構造格子を導入する新しい境界適合手法、その格子自動生成法、このような計算格子に基づく浅水流方程式の数値解析法の開発を行った。この計算法により過去に実施された室内水理実験の再現計算を行ったところ、良好な再現性を確保できる事が確認された。
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