平成21年度はイギリスと米国の戦略的環境アセスメント制度と事例についての調査を開始した。 米国の戦略的環境アセスメント制度として、P-EIS(programmatic environmental impact statement)に関する調査を、とくに制度面を中心として行った。 イギリスについては、イギリスの戦略的環境アセスメントの制度と自治体レベルでの戦略的環境アセスメントの運用状況の調査についての調査を行った。制度に関しては、交通計画への戦略的環境アセスメントのガイドラインであるTAG(transport analysis guidance)のUnit2.11に対する調査を行った。とくに、既存の環境への影響を評価する制度であるNATA(the new approach to appraisaDとの関連性について調査を行った。自治体での調査においては、とくに戦略的環境アセスメントの代替案の作成、住民やステイクホルダーの参加、複数案から1つの選好案の選択・作成について調査を行った。戦略的環境アセスメントへの住民やステイクホルダーの関わりについては、多くの自治体において、住民参加の場においてほとんど戦略的環境アセスメントのレポートに対する意見が出ず、イギリスの戦略的環境アセスメントの課題であることが分かった。また、複数案から1つの選好案の選択・作成の際には、負の影響のミティゲーション(軽減策)の存在が全体のバランスをとる役割を果たしていることが分かった。
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