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2008 年度 実績報告書

ソーシャルネットワークを利用した地域特性に応じた自動車排出ガス削減政策の提案

研究課題

研究課題/領域番号 20760348
研究機関広島大学

研究代表者

桑野 将司  広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70432680)

キーワード自動車保有・利用行動 / 地域特性 / 世帯のライフステージ / 同時決定モデル / ソーシャルネットワーク / 世帯意思決定
研究概要

本年度は, 地域特性や世帯のライフステージの違いによる政策反応の違いを考慮して, 車種選択から, 利用行動, 保有期間に至るまでの一連の行動を同時に取り扱うことができる統合モデルの開発を目的に, 以下の通り実施した.
1. 交通システムの整備水準や土地利用などの地域特性とライフサイクルステージなどの世帯の社会人口学的特性により, 世帯の自動車利用行動が異なるという仮説のもと, それらの影響を考慮した世帯の自動車利用ポテンシャルの算出手法の提案を行った. 分析の結果, 公共交通網や幹線道路網の整備状況, 世帯属性が, 世帯の自動車利用ポテンシャルに有意に影響を及ぼすことを検証した.
2. 複数の意思決定ルールを同時に取り入れた新たな世帯離散選択モデルの開発を試みた. 意思決定ルールとして, 加法型, max-min型とmax-max型を取り上げ, 各世帯がどの意思決定ルールをどの程度適用しうるかを潜在クラスモデリング手法の帰属確率より表現した. 車種選択行動を対象に行った実証分析の結果, 加法型とmax-max型の意思決定ルールを組み合わせたモデルの適合度がより高いことが明らかとなった. そして, 世帯の属性やライフステージの違いにより意思決定ルールが異なることも明らかにした.
3. 保有期間と年間走行距離の相互依存性を考慮するために, 2変量間の非線形な相互依存性を取り扱うことができるコピュラ関数を用いた多変量生存時間モデルを構築し, 保有期間と年間走行距離の同時決定モデルの開発を行った. 実証分析の結果, 利用行動と保有行動の間に負の相互依存性が存在することを明らかにした. また, 開発したモデルの現況再現性は従来の分析手法よりも高く, その有効性が実証された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Modeling household discrete choice behavior incorporating heterogeneous group decision-making mechanisms2009

    • 著者名/発表者名
      Junyi ZHANG
    • 雑誌名

      Transportation Research Part B 43

      ページ: 230-250

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生存時間モデルによる世帯の自動車走行距離の推定2008

    • 著者名/発表者名
      桑野将司
    • 雑誌名

      土木計画学研究・論文集 25

      ページ: 623-632

    • 査読あり
  • [学会発表] 保有期間と走行距離の同時決定モデルの開発2008

    • 著者名/発表者名
      桑野将司
    • 学会等名
      第38回土木計画学研究発表会
    • 発表場所
      和歌山大学
    • 年月日
      2008-11-02
  • [学会発表] 属性レベルでの世帯内相互作用を取り入れた離散選択モデルの開発2008

    • 著者名/発表者名
      桑野将司
    • 学会等名
      第37回土木計画学研究発表会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-06-07

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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