研究概要 |
本研究は,デジタルカメラによる画像計測技術の自動化および測量システム化により低コストかつ1人で測量を可能とする,「画像ものさしシステム」を開発することを目的としている.本システムは,対象範囲を複数台のカメラで写し込み,作業員が指した場所の位置関係や長さを自動的かつリアルタイムに測量するものである.測量値(3次元座標)および測量時の画像は自動的に保存されるとともに,取得画像上にすべての測量値を重ねて表示することで,測量後の内業(後処理)も容易である.なお,本システムではcm単位の測量精度を実現することを目標としている. 本年度は,昨年度の成果を基に,システムのプロトタイプを開発することを目的とした.また,本システムの実用性および精度の検証のための実験を行った. プロトタイプの開発として,複数台のカメラを配置する設置冶具,およびカメラの通信の集約およびカメラへの電源供給を行う通信・電源ボックスを製作した.また,画像計測用基準体を製作した.これらを組み合わせ,画像ものさしシステムのプロトタイプを開発した. 開発したシステムプロトタイプを用いて実験を実施した.その結果,リアルタイム画像計測を実現した.また,計測は自動連続的に可能であった.さらに,計測精度はcm精度を実現した. 以上のように,本年度は本研究の成果をとりまとめ,複数台のカメラと画像処理により,cm単位の精度でリアルタイムかつ自動に画像計測が可能な測量システムを開発した.
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