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2009 年度 実績報告書

新たな河川環境管理を目指す林地からの微細有機物の動態および発生メカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 20760365
研究機関豊田工業高等専門学校

研究代表者

松本 嘉孝  豊田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (40413786)

キーワード水質汚濁 / FBOM / FPOM / 水圏物質循環 / 自然現象観測 / ノンポイント汚染
研究概要

我が国の閉鎖性水域における環境基準達成率は依然として低く,その原因の一つとしてノンポイント汚染が挙げられるが,この汚染対策の課題として,汚染原因の潜在因子として考える懸濁態物質の知見,研究不足が挙げられる。そこで本研究は,河川河床に堆積する微細有機物(FBOM)の量変動および動態把握を目的として研究を行った。調査は,森林が90%以上を占める森林流域で行い,調査地の下流約100m地点には発電用の堰が設置してある場所で行った。調査手法は,1)2週間毎にFBOMを採取し,その量および,FBOM内部構成の把握のため炭素と窒素量の測定を行う,2)河川水量を把握するため,連続記録水位計を設置し測定する,3)生物分解によるFBOM量の把握を行うため,河床に落葉(リター)を設置し定期的に測定を行う,の3つを軸とした。
まず,2週間毎のFBOM調査と水位の測定から,水位が減少する時期にはFOBMが堆積傾向となり,水位が増加する時期にはFOBMが流出傾向となることが明らかになった。加えて,水位が常に高い時期はFBOM量が少なく堆積しなかったが,水位が常に低い時期のFBOM量にはばらつきが見られた。次に,河床に設置したリターの分解量を調査した結果,夏期は1ヶ月で40%に減少したが,秋期で90%,冬期で99%とほとんど減少せず,時期により大きな差が見られた。このことは,秋期から冬期にかけての水位が常に低い時期においてFBOM量にばらつきがあることと関連していると考えられた。
以上より,河床に堆積するFBOMは河川の水位変動に大きな影響を受け,水位が高水位の時期はほとんど堆積しないことが明らかとなった。ただ,水位が低水位の時期は,季節における生物分解に影響を受けることが考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 矢作川上流域における堆積性有機微細粒子の動態解析2010

    • 著者名/発表者名
      宮地宏朋
    • 雑誌名

      豊田高専研究紀要 42

      ページ: 61-64

  • [雑誌論文] 山地河川における堆積微細有機物量に影響を及ぼす要因の抽出2009

    • 著者名/発表者名
      松本嘉孝
    • 雑誌名

      環境工学研究フォーラム講演集 46

      ページ: 78-79

  • [学会発表] 山地河川における微細有機物堆積量に及ぼす水文・生物要因の検討2010

    • 著者名/発表者名
      宮地宏朋
    • 学会等名
      日本陸水学会東海支部会
    • 発表場所
      岐阜県
    • 年月日
      2010-02-20
  • [学会発表] Effects of hydrological and biological factors on Fine Benthic Organic Matter at a forested river in Yahagi Basin, Japan2009

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Y
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting 2009
    • 発表場所
      USA, San Francisco
    • 年月日
      2009-12-18
  • [学会発表] Dynamics of Sedimentary Fine Particle Organic Matter Controlled by Hydrological Conditions in Forested Area2009

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Y
    • 学会等名
      INTERCOH 09
    • 発表場所
      Brazil, Rio de Janeiro
    • 年月日
      2009-05-03

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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