研究概要 |
今年度の研究では,昨年度に引き続き,クリプトスポリジウム属を検出するプローブを作成し,その染色性や操作性を評価するとともに,新たにクリプトスポリジウム属の種別を識別できるプローブの設計のために遺伝子データベースより最適なプローブ配列を探すための調査を行った。 クリプトスポリジウム属の検出に用いるプローブについては,その実用的な濃度や他の染色法との併用とその効果について,また操作上の問題点を検索し,プローブとの染色の最適なプロトコルの作成や界面活性剤や緩衝用バッファー濃度などの最適化,反応時間や反応温度の最適化を行い,実用化に向けた検討を実施した。 一方で,種あるいは遺伝子型識別用のプローブについても,昨年度もその設計と染色性を評価したが,C.parvum genotype 2染色用に設計したものであったが,良好に染色することはできなかった。そこで,新たな配列を有するプローブについて検討するために,クリプトスポリジウムの感染性や宿主特異性の異なる様々な株の遺伝子配列を検索し,それぞれの株の識別に有望であり,かつFISH法のプローブとして適切に機能する可能性のある配列をGenBankのデータベースの情報を元に複数探索した。これらの配列のプローブの実際の作成は次年度実施予定であるが,現在作成済みで,染色条件の最適なプロトコルもほば完成しているクリプトスポリジウム属用プローブやC.parvum genotype 2染色用のプローブを参考に最適なプローブの設計を行った。
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