| 研究概要 |
この研究課題の目標は,非確率論的な不確定性を仮定した構造系に対し,「モデル化法・解析法・設計法」という一貫した方法論を提示することにある.不確定な構造系を扱う理論や数値手法には様々な提案があるが,本研究の大きな特徴は,「任意の大きさのばらつき」を破綻なく扱える不確定性解析およびロバスト設計の理論と数値手法を開発することにある.
平成21年度は,「任意の大きさのばらつき」に対する数値手法として,(1)調和外力を受ける構造系の不確定性解析の具体的な手法を開発し,(2)離散構造物の位相(トポロジー)を考慮したロバスト最適設計法を提案した.このうち,(1)の手法は,半正定値計画法と呼ばれる数理計画法に基づく手法であり,入力が大きくばらつく場合にも構造物の応答(振幅や位相)のばらつきを精度よく予測できるという特長がある.また,既存の手法ではあまり取り上げられてこなかった調和外力の不確定性を扱っている.次に,(2)の最適設計法はトラスの位相最適化問題を扱っている.不確定性を考慮したロバスト最適設計においては,最適化の過程での位相の変化は,これまで考慮されていない.これに対して本研究では,離散変数を導入するなどの工夫を行い,ロバスト最適化におけるトラスの位相の変化を厳密に考慮している.
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