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2008 年度 実績報告書

鋼構造露出柱脚に適用する鋼管ダンパーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20760374
研究機関大阪大学

研究代表者

向出 静司  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20423204)

キーワード鉄骨造建築 / 制振 / 履歴型ダンパー
研究概要

本研究課題では, 鉄骨造建築物の露出型柱脚アンカーボルトに適用するための鋼管型制振ダンパーの開発を目的としている. 本年度の研究実施計画では, 鋼管ダンパーの最も重要な性能として変形性能(エネルギー吸収性能)に着目し, その単体での交番繰り返し載荷を行い, 実験的に検討した. 実験因子は, 鋼管ダンパーの径厚比・長さ・形状(端部処理および鋼管の長さ方向に厚さの変化)・表面処理方法である.
実験結果より, 以下の知見を得た. (1)径厚比が10程度の大きい場合, その荷重-変形関係は大略矩形の履歴曲線となり, 概ね8程度の場合, 局部座屈発生後も大変形域まで耐力低下が生じなかった. (2)一定以上長い場合には, 局部座屈は両端に2箇所(mode-IIs)形成されるが, 短くなるに従って, 非対称な2つの局部座屈(mode-IIa), 非対称な1つの局部座屈(mode-Ia), 対称な1つの局部座屈(mode-Is)と座屈モードが変遷した. (3)鋼管の形状や表面処理については, 変形性能に有意な改善効果が得られなかった. (4)変形性能がより高い形状とするためには, mode-Iaからmode-Isの間あたりの長さ(局部座屈波長計算値の1.5倍程度)とするか, 径厚比が8程度でmode-IIsの長さ(局部座屈波長計算値の2倍程度)とする.
一方, 上記の性状について確認するために, 当初の計画にはなかったFEM解析を行い, その歪性状についても検討した. FEM解析ではmode-Isの場合, より短い部分に局部座屈が1つ形成されると波長が短くなることで塑性変形が集中することがわかった.
以上より, 耐震ダンパーとして鋼管部に大きな圧縮側の塑性変形を期待する場合, 上記(4)の通りの仕様を与えることが有効であることがわかった.

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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