フライアッシュは、コンクリート用混和材料として、フレッシュコンクリートの流動性の向上による単位水量の減少、コンクリートの長期強度の増進や組織の緻密化といったコンクリートの長寿命化が期待できる優れた特性を有するにも関わらず、品質のばらつきの問題で有効利用が進んでいない。その品質に大きく影響している要因は、フライアッシュに含まれる未燃炭素量であると考えられており、その未燃炭素を除去した改質フライアッシュの製造が可能となった。しかしながら、未燃炭素以外にもコンクリートの各種性状に影響を及ぼしていることが確認されてきている。本研究の目的は、改質フライアッシュの品質、特に粒子形状を詳細に分析し、それがコンクリートの単位水量低減効果およびひび割れ抑制効果に及ぼす影響を明らかにすることである。 そこで、まず様々な銘柄の改質フライアッシュについて、密度、平均粒径、実積率、空隙率、フロー値比などの各種物性値を測定した。次に、ペーストの流動性試験を実施し、拘束水比および変形係数と各物性値との相関性について検討した結果、実積率試験によって得られた空隙率と拘束水比に相関性が確認された。 また、4種類の銘柄の異なる改質フライアッシュをセメントの内割で30%まで置換したコンクリートの力学特性を検討した結果、セメントの内割15%の場合は銘柄の違いによる強度特性に明確な差は見られないが、内割30%の場合は1割程度の差が確認された。
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