研究概要 |
本研究では, 透水性舗装材料であるポーラスコンクリートを対象とし, 調合によって異なる材料の熱および水分特性を把握し, 数値計算による蒸発冷却効果の予測, および路盤の熱的最適設計を可能とすることを目的としている。平成20年度は, 砕石のサイズ, セメントペースト量, 水セメント比を変化させて, 空隙構造の異なるポーラスコンクリート試験体を作成した。砕石サイズとしては, 一般にポーラスコンクリートに用いられる6号砕石(5-13mm)では空隙径が大きく保水性能が期待できないことから, 砕石径の小さい7号砕石(2.5-5mm)と8号砕石(1-2.5mm)の2種類を用い, それぞれの設計体積空隙率を要因として, 15%, 25%, 35%の3水準の試験体を作成した。それぞれの試験体について, 迅速熱伝導率計による熱伝導率測定, および水中重量計測による絶乾空隙率の測定を行った。測定した熱伝導率は絶乾空隙率との相関が強く, 砕石サイズの影響は小さいことが明らかとなった。また, 高さの異なる試験体下面からの吸水試験を行い, 吸水量を測定することで, 水分特性曲線を推定し, 水分伝導率を得るためのデータを蓄積した。また, 舗装表面への散水による給水方法と舗装材料の下端を浸水させることで給水する方法の2種類の給水条件下で屋外実験を行い, 各種ポーラスコンクリートの熱特性を把握するとともに, 材料表面の湿潤・乾燥状態に応じた日射吸収率を測定した。
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