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2009 年度 実績報告書

ユニバーサルデザインに配慮した公共空間における最適拡声レベルの予測手法

研究課題

研究課題/領域番号 20760389
研究機関神戸大学

研究代表者

佐藤 逸人  神戸大学, 工学研究科, 助教 (30346233)

キーワードラウドネス / 残響音 / 両耳間相関度 / 拡声設備 / 騒音
研究概要

最適拡声レベルの予測手法を検討するにあたり,21年度も前年度と同様に,残響音場における最適ラウドネスがどのような心理的メカニズムで決定されるかを検討した。具体的には,残響音の空間特性の違いに着目し,空間特性の違いによって残響音が最適ラウドネスに与える影響がどのように変わるかを検討した。残響音の空間特性は,左右の耳に提示される残響音の相関の強さを示す両耳間相関度をパラメータとして変化させた。聴感実験の結果,以下を明らかにした。(1)被験者により個人差はあるが,残響時間が長いほど最適ラウドネスが小さくなる傾向がみられ,この傾向は残響音の両耳間相関度が低いほうがより顕著であった。(2)残響時間が3秒程度の音場では,被験者によらず残響音の両耳間相関度が低い音場が高い音場よりも最適ラウドネスが小さい。以上の実験結果と,両耳マスキングレベル差や既往の研究結果を合わせて考えると,最適ラウドネスは残響音のうるささの影響を受け,残響時間が長い音場ではそのうるささを低減するために,より小さいラウドネスが最適と判断されると推察される。
また,例えば,電車がトンネル内に侵入するときの車内のように,暗騒音レベルが大きく変動する場合,拡声レベルを自動調整するシステムが実用化されているが,急激な拡声レベルの変化は,不快感をもたらす可能性がある。そこで,不快感に着目して最適な拡声レベルの調整パラメータを明らかにするための聴感実験を行った。その結果,実験に用いた条件の範囲では,変化前の騒音レベルが50dB及び60dBの場合,騒音レベルの変化量に関わらず,拡声レベルの増幅量5dB,立ち上がり時間800msが最適であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 暗騒音レベルの変動を考慮した拡声レベルの調整法2010

    • 著者名/発表者名
      大西農, 山路貴司, 森本政之, 佐藤逸人
    • 学会等名
      日本音響学会2010年春季研究発表会
    • 発表場所
      電気通信大学(東京都)
    • 年月日
      2010-03-09
  • [学会発表] 最適音声レベルにおけるラウドネスと残響の関係2009

    • 著者名/発表者名
      根木健太, 佐藤逸人, 森本政之
    • 学会等名
      日本音響学会2009年秋季研究発表会
    • 発表場所
      日本大学(福島県)
    • 年月日
      2009-09-16
  • [学会発表] 残響音場における最適音声レベルとラウドネスの関係2009

    • 著者名/発表者名
      根木健太, 佐藤逸人, 森本政之
    • 学会等名
      2009年度日本建築学会近畿支部研究発表会
    • 発表場所
      大阪工業技術専門学校(大阪府)
    • 年月日
      2009-06-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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