建築設計において各専門間のコラボレーション、特に意匠設計、設備設計の連携に着目し、建物の設計において、建物情報モデリング(Building Information Modeling、略称BIM)により、デジタル環境設計ツールを開発する。サスティナブルデザインへのニーズに応え、より効率的、より高品質な設計の実現を目指している。そこで、本研究では、CADアプリケーションに依存しない、建物情報モデリング(BIM)の国際標準仕様であるIFC (Industry Foundation Classes)規格を活用し、建築意匠・設備設計が一体となったデジタル環境設計手法を提案する。空調負荷、エネルギー消費量、省エネルギー評価、CO_2排出量など環境影響評価指標の自動計算などを実現し、建築分野におけるCO_2排出削減を目的とする。 昨年には大学生を150名対象として施主が求めているBIM情報の需要をアンケート調査し、住宅の購入価額、年間光熱費などが最も重視されていることがわかった。また、調査結果を踏まえ、建築基礎情報の整備、建材価格などのデータベースの改善を行った。さらに、地域の気象データベースと連携し、建築省エネルギー評価指標PALの自動計算ツールを開発した。 今後は、建築設計のBIM情報、建材データベースとの連携により、空調負荷計算、省エネギー評価及び環境評価を行い、多機能の統合をを目標としている。
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