1. 施主と設計者のコミュニケーションに関する調査 : 施主と設計者が各設計段階でどんな設計情報のやりとりをするのかについて、論文や文献を中心に調査した。また、実務設計者を対象にヒアリングを実施し、実践に近いデータを収集した。三次元設計CADの国内外の動向を調査するため、BIMに関連するミーティングに参加し情報収集を行った。 2. システムの設計 : 本研究で開発するシステムの基本機能の仕様を設計した。具体的には、a)建築3Dモデル、CAD図面へのアノテーション(注釈)機能、b)建築構成要素の半透明・非表示切り替え機能、表示状態保存機能、c)視点保存機能、ワンクリック呼び出し機能、の3点を中心に、前項目での調査結果を加味しながら、既開発の画像・文字を対象とした情報共有ウェブシステムと連携して動作するものとして設計した。 3. プロトタイプシステムの開発と試用評価 : 設計したシステム仕様に基づき、プロトタイプとしてウェブシステムを試作開発した(開発言語はHTML、Java Script、PHP)。ウェブページにBIMデータ(3D・2Dデータ)を表示し、ウェブブラウザからビュー制御を行う仕組みを構築した。さらに、設計者・施主間でやりとりされる意見、提案、説明などの設計コミュニケーション情報(テキストや画像など)を、ウェブ上で3D・2DCADデータとリンクを張りデータベースに登録することで、建物モデルとそれにヒモ付けされた情報がウェブ上で連動表示できる機能を開発した。 また、開発したシステムを簡単な実験により試用し、動作および機能の簡易評価を実施した。
|