H20年度は、綿密な現況把握を目的として、どのような通り抜け空間が存在するのかを、物理的(空間的)特性により明らかにした。 1. 通り抜け空間の空間特性による類型化 現地踏査により対象地区から通り抜け空間を全て抽出し、それらの距離、幅員変化、断面形状、屈折点・屈曲点・交差点の数、端点の状況等によって空間特性を類型化する。 2. 通り抜け空間の構成特性による特徴把握 1.で得られた類型ごとに、通り抜け空間に分布する要素や、店舗・住宅等の分布密度と、業種構成の傾向から、構成特性を把握した。 3. 現行制度における通り抜け空間消滅危険性の把握 年度当初の予定では、上述の1、2の分析の結果をうけて、心象評価実験を行う予定であったが、研究を進めるうちに、現状把握は形状類型だけでは不十分であり、現行法や制度において、消滅危険性のある路地の把握は課題導出のためにも重要であると判断された。したがって、心象評価実験を行う前に、抽出された通り抜け空間を構成するパスの道路指定の状況と性質を整理し、現状のままでは消滅危険性の高い路地を抽出した。
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