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2009 年度 実績報告書

再整備された沖縄の御嶽の改変パターンの類型化と空間理念の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20760415
研究機関琉球大学

研究代表者

小野 尋子  琉球大学, 工学部, 助教 (20363658)

キーワード沖縄集落 / 御嶽 / 腰当森
研究概要

土地の接収により再整備された沖縄の御嶽等民俗空間の改変パターンを沖縄県宜野湾市、北谷町、浦添市、読谷村の8集落を対象として調査し、傾向を把握した。結果は以下の通りである。
先祖崇拝と自然崇拝が一体となった宗教観を持つと言われる沖縄集落の民俗空間は殿や火の神など先祖に由来するもの、ノロ地など琉球王府時代の祭祀と関係するもの、井戸(カー)など自然の恵みに由来するもの、御嶽のように始祖崇拝と山拝みが交じり合ったものがある。このうち多くの集落で一番位が高いのが御嶽であり、御嶽のない分離集落では火の神や殿が一番高い位の拝み場所となる。
御嶽、御嶽がない集落では火の神や殿に関しては、被害を受けた場合必ず再建がなされており、事例のすべての集落で参詣されている。殿やノロ地も御嶽と同様に被害を受けたものは再建されており接収の有無を問わず現在も多くが参詣されているが、移動という概念を持たない宜野湾集落では破壊されたまま再建されず、大山集落では現在も残っている2つのうち1つは拝まれていない。土帝君、ビジュルなど明文化された由来を持つ参詣対象は再建されている。
その一方で、カーやアブ、モーなど自然物を対象とした拝みは再建される集落とされない集落に別れる。水が貴重であった沖縄地方において生活の基幹であるカーは広く一般に拝み対象であるが、アブやモーは豊年祭がされていた場所が拝み対象となったものであり、やや特殊なものである。ガマについては、昔から霊的な場所とされているところもあるが、戦争時に避難して助かったことから拝まれるようになった比較的新しいものもある。今回の調査では後者で、現在合祀され、拝まれている。
合祀では、戦前の集落の空間には無かったものが新設されている。根屋に関わるものが多いが、これらは戦前は根屋の住宅敷地内にあったものが、居住地を奪われたため新設された、移転集落特有のものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 土地の接収を受けた集落の民俗空間の変化と移転・合祀からみた意義の研究-沖縄県宜野湾市、北谷町、浦添市、読谷村の8集落を対象として-2009

    • 著者名/発表者名
      小野尋子
    • 学会等名
      日本建築学会
    • 発表場所
      東北学院大学
    • 年月日
      2009-08-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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