「住宅の供給・管理を実践し成果をあげているNPOへのヒアリング調査」として、障害者と健常者が共に住むコレクティブハウスやシェアハウスを開設・運営する団体、高齢者向けの支援サービス付き集合住宅を開設・運営する団体、民間賃貸住宅への社会的弱者の入居支援及び入居後の生活支援を行う団体、等のヒアリングを実施し、活動内容及び収支・経営状況、今日の活動に至るまでの経緯や課題の克服方法、外部の団体からの支援の有無や協力関係等などの、各団体の「ビジネスモデル」に関する個別具体の情報を調査した。なお、当初の研究実施計画では、同様の事業を立ち上げようとしているが成果があがっていないNPOへのヒアリング調査も予定していたが、そのようなNPOの把握は困難であり、結局何らかの形で事業を立ち上げている団体のみの調査となった。 これらの調査してきた個々の団体・個別の事例での活動内容を整理し、公的な福祉の枠組を活用して開設・運営資金を得るタイプ、母体の会社・団体による社会貢献の位置づけで資金・人材等を得るタイプ、関係者や地域住民からの支援によって資金や資源を得るタイプ、などのビジネスモデルの形を提示した。このタイプ整理に基づき、この間構築してきたNPOの活動・経営実態に関するデータベースを用いて、西日本のNPOが行う住宅関連活動の事業タイプを分類した。 以上を受けて、それぞれのビジネスモデルのタイプが持つ特徴と課題を整理し、事業を持続可能にするために必要となる、公的な政策や助成のあり方、及び民間企業等の営利事業との連携策などの方策を検討し、支援システムの構想を示した。
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