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2011 年度 実績報告書

古代中世東アジアにおける八角塔・八角堂の構造と意匠に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20760436
研究機関独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所

研究代表者

箱崎 和久  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 遺構研究室長 (10280611)

キーワード八角塔 / 輪蔵 / 磚塔 / 木塔
研究概要

八角堂塔の補足資料収集については、東日本大震災によって研究費の削減がおこなわれる可能性があったため、予算的・日程的な側面で留保せざるを得ない状態が続いたことも一因で、海外調査は断念せざるをえなかった。この点については、文献資料で見る限り、南方の磚塔は組物の表現をもたないものが比較的多く、もつものも隅行のみの場合も少なくない。河北省では南方系・北方系の組物が混在しており、陳西省・山東省では南方系の組物が優勢のようで、それ以南は南方系に属し、比較的新しい時代までそれが引き継がれているようだ。したがって山西省南部付近がその境となりそうだという見通しを得た。その原因については、現地調査をおこなってもあきらかにできない公算:が強く、たとえば住宅の構造、あるいは仏像の意匠など、その他の要素を含めた総合的な視野が必要となるであろう。
八角輪蔵については、資料の収集をおこなったが、岐阜.安国寺経蔵など、中国宋元代の建築との関連をうかがわせるような、特徴的な構造や意匠をもつものもあるが、組物も外部の意匠的な側面が強く構造的に大きな意味を見いだせない可能性が高いと考えられる。
いっぽう、方形木塔との構造比較という点では、方形塔と八角塔の一辺を同程度の規模にしている、すなわち、八角塔の設計に当たっては塔全体の対辺間距離よりも一辺の規模が基準になるのではないかと考えられた。ただし、発掘塔で建物柱配置が判明する例が少ないこと、磚塔の規模や設計法など、まだまだ分析を進めなければならない課題が多い、ということが判明した。
これらは八角塔の伝播、起源、などを考える上で重要であり、発掘された遺構の検討をおこなう上でも有用な情報と考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 学界展望発掘-寺院建築関係-2011

    • 著者名/発表者名
      箱崎和久
    • 雑誌名

      建築史学

      巻: 57 ページ: 118-146

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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