古代中世東アジアの八角塔と八角堂の構造と意匠について、発掘調査成果や現存遺構をもとに考察し、方形平面の塔との構造的な差異を明らかにすることを目的とする。 (1)古代・中世の八角塔と八角堂に関する発掘調査成果と現存遺構についての諸資料を収集する。現存遺構では本研究に直接関わる木造の塔は中国と日本の計2例しかない。そのため木造の意匠を残す中国の八角磚塔などを含め、それらが木造の構造を表現したものとして理解できるかどうかを吟味する。 (2)中国を中心に現存する八角塔を主として、上記の収集資料をもとに現地調査をおこなう。対象は八角平面の磚塔を多く残す東北地区を軸に、古い遺構を実見できるようにする。 (3)収集資料および実見の成果に基づいて、八角木塔と八角堂の構造システムを分析する。この成果と、すでにおこなってきた方形木塔の構造システムを比較し、構造的な差異について考察する。
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